この記事をご覧になっているのは、バーチャルオフィスの利用について検討されている方かと思います。レンタルオフィスや賃貸より気軽に始められそうなバーチャルオフィスですが、業種によっては向き不向きがあることも事実です。そこで今回は、どのような職業がバーチャルオフィスが向いているのか、逆に不向きなのか確認してゆきましょう。
目次 1.バーチャルオフィスが向いている業種 ⑴Web関連業務⑵製造・販売業務/ネットショップ ⑶コンサルタント・講師など ⑷出張サービス業 2.バーチャルオフィスが不向き/あるいは許可を得るのが難しい業種 ⑴職業紹介業/人材派遣業 ⑵士業 ⑶建設業 ⑷古物商 ⑸不動産業 ⑹金融商品取り扱い業務 3.まとめ |
1.バーチャルオフィスが向いている業種
まず、バーチャルオフィスと相性のよい業種について紹介します。
PCが普及し、インターネットが身近なものとなり、年々働く業種しても増加しているIT/Web関連ですが、現在の、働き方を見直す流れからも、フリーランスでWebデザイナーといったお仕事をされる方や、そういった職業を目指す方が多くいらっしゃるように思います。そんなフリーランスのweb系業種の方にフィットするのがバーチャルオフィスです。基本的には自宅のネット環境で仕事をされることも多いかと思いますが、直接クライアントの方と対面でやりとりするようなお仕事を受けていく場合には、バーチャルオフィスを活用する必要が出てきます。フリーランスWebデザイナーに限らず、エンジニアやデザイナーの方々も同様にバーチャルオフィスが向いていると言えます。
⑵製造・販売業務/ネットショップ
製造、販売業種の方で、自社や自宅で製造・販売していても実際に店舗を構えていない場合、バーチャルオフィスの活用はオススメです。なぜなら事務所を構える必要が無い場合、自宅を公表せず住所を利用できるので、リスクヘッジができると同時に信用力の確保にも役立ちます。近年は趣味の延長で副業や本格的に販売を行う方が増えています。また条件付きで特定商取引表示の住所にもバーチャルオフィスの住所を利用することができます。このように、製造・販売業務/ネットショップも規模や条件によって、うまく活用できることが分かります。
⑶コンサルタント・講師など
バーチャルオフィスは、モノだけでなくサービスの提供として、これまでのご自身の専門的な知識などを教える講師業の方にも勧められます。近年はSkypeやZoomといった使い勝手の良いビデオ通話サービスも充実しており、コンサルタント・講師業は拡大の余地のある業界であると考えられます。加えて、HPや名刺への住所の記載を考えると、バーチャルオフィスの利用は有効です。
⑷出張サービス業
バーチャルオフィスと相性がいい業種に、オフィスや事務所を構える必要のない出張サービス業が挙げられます。PCや電化製品サポートや、家電家具取り付け、WIFI接続サポート、カメラマン、出張型のヨガ、パーソナルトレーナー等のインストラクターなど様々の業種が当てはまります。
2.バーチャルオフィスが不向き/あるいは許可得るのが難しい業種
バーチャルオフィスと相性の良い業種がある一方で、法律や手続き上の関係から、バーチャルオフィスの利用が難しい業種もあります。
⑴職業紹介業/人材派遣業
有料の職業紹介業をする際、都道府県労働局を通じて厚生労働大臣の許可を受けなければなりません。このときに、実体のある事業所が必要となるため、バーチャルオフィスの住所で許可を受けることはできません。また、人材派遣業においても、規定の面積が必要となったり、打ち合わせスペースが必要とされたりします。一般的にバーチャルオフィスサービスを提供している店舗では実際に利用できる場所がないこと、必要書類の用意ができない可能性が高いことを考慮すると、事業所としての申請は難しいといえます。
⑵士業(税理士、司法書士、弁護士など)
弁護士や税理士、司法書士、行政書士といった士業の方々は、手続き上「事務所」が必要となります。また、機密保持が出来るスペースが必要とされるなど、実体のある住所が必要となるため、バーチャルオフィスの利用は難しいと言えます。ただし、条件により弁理士、社会保険労務士など、利用可能な士業もあります。
⑸不動産業
不動産業の開業においては宅建業の要件を満たす必要があり、その中には独立した事務所を用意する必要が含まれます。宅建業の要件を満たす事務所とは、専用の出入り口があり、独立しており常駐可能なオフィススペースがあることを指します。 バーチャルオフィスでは常駐可能なスペースがなく、宅建業の業務を継続的に行う場所の確保が難しいと考えられます。
■まとめ
バーチャルオフィスの使用は業種によっては、とても利便性が高いと言えるでしょう。特に、Webデザイナー、プログラマー、システムエンジニア、オンラインサイトでの商品販売、コンサルタント、カメラマン、ヨガ講師やパーソナルトレーナー、さらにはユーチューバーなど新しい働き方が進んでいる業種にとっては活用を検討するべきサービスでしょう。また、近年増えつつある副業としての企業においても、法務・税務対策として法人設立をする人も増えているようです。ただし、利用が難しい業種があることも事実なので、希望する業種がバーチャルオフィスを利用できるかどうか事前の確認が重要でしょう。